天使への信仰

天使の本質と特徴

信仰の六つの条件の2番目が、天使を信じることです。

天使は、光から創造された被造物です。彼らは飲み食いすることなく、また男女の区別もありません。

天使はアッラーの愛されるしもべです。アッラーの命令を完全に守り、罪を犯すことはありません。

崇高なるアッラーは被造物を様々な形で創造されました。それらの一部は私たちは見ることができ、一部は見ることができません。人は一部の被造物を見ることができないのです。なぜなら人間の目は全てのものを見ることができるようには創造されていないからです。見るという能力は限られたものだからです。

例えば、私たちは非常に小さい物質を見ることができません。同様に空気や風、魂や理性を見ることもできません。電線を通る電流も見ることはできません。しかしそれらは、目に見えないが存在しているということを私たちは知っています。天使もまた、存在していながらも目には見えない被造物なのです。

天使は光から創造された繊細な被造物であり、私たちの目には見えません。しかし私たちは天使の存在を信じます。なぜなら天使の存在をアッラーがクルアーンで伝えておられるからです。預言者さまも天使たちを実際に目にされ、私たちに知らされました。崇高なるアッラーと預言者さまが伝えられたことは全て真実であり、だから私たちは天使の存在を確信しているのです。

主な天使の名称と役割

天使たちは地にも天にも、あらゆる場所に存在します。その数はアッラーのみがご存じです。それぞれに、アッラーが与えられた務めがあります。

一部の天使は、常にアッラーを崇拝しています。一部はこの世界の秩序と均衡を保つ役割を担っています。人の力が及ばない大きな仕事を行うのです。人びとに善行を勧め、悪から守り、困難に陥ったときに信者への援助のために送られる天使もいます。崇高なるアッラーは天使の存在によって限りないそのお力を示されています。

大天使とその役割

1) ジェブラーイ一ル

天使たちのうち最も偉大な存在です。その役割は、アッラーと預言者たちの間の使者となること、アッラーの啓典を預言者たちにもたらすことです。私たちの啓典クルアーンをアッラーから預言者ムハンマド(p.b.u.h.)にもたらしたのも、天使ジェブラーイールです。

2) ミカ一イル

自然界の出来事を司る役割を持ちます。(雨が降ること、風が吹くこと、穀物が実ることなど)

3) イスラ一フイ一ル

最後の審判、人の死後の復活を受け持ちます。

4) アズラーイ一ル

寿命が尽きた人の魂を取る役割を持ちます。

キラ一マン・力一ティビン

二人の天使です。片方は人の右側に、もう片方は左側にいます。右側にいる天使は人の善行を、左側にいる天使は人の悪事を記録します。このようにして、人の善行や悪事が記載された記録薄が作られます。

ムンカルとナキル

彼らは、人の死後に墓場で尋問をする役割を持ちます。

7レドウワン

天国にいる天使たちの長です。

マ一リク

地獄の天使たちの長です。

天使たちを信じることの意義

いつでもどこでも私たちと共にいる、私たちから決して離れることのない天使たちもいます。キラーマン・カーテイビンという名のこの天使たちの役割は、私たちが行った良いこと、悪いことを記録することです。つまり人間は一人でいるときですら、一人ではないのです。常に見守り、記録している天使がいるのです。

天使を信じる人は、誰もいない場所でも「誰も私のことを見ていない、思うままに振る舞おう」ということはできません。なぜならどこにいても、自分を見守り、良いことも悪いことも記録されていることを知っているからです。このようにして、天使への信仰は、人が悪事をなすことを断念させるものとなるのです。

この他、私たちに善行を薦め、悪事から遠ざけようとする天使もいます。この世界で、良いこと、善の模範は天使であり、悪いこと、醜いことの模範はシャイ夕一ンです。天使は人を善へと導き、シャイターンは悪へと導きます。

例えば、空腹で助けを必要としている人を見たとき、私たちの心に憐みの気持ちが生じ、秘められた声が「この貧しい人に援助をしなさい」と呼びかけます。この声が、天使のものです。このときに、心の中ではもう一つの声が「援助などしたらあなたのお金が減る。やめておきなさい」とささやき、援助をやめさせようとします。このささやきがシヤイ夕一ンの声です。

この状態で私たちは、貧しい人に援助をしようという声に従うべきです。なぜならこの声は、善を好み、私たちをも良い行いへと招く親友の声だからです。この声に従うことは私たちに良い行いをさせ、報償を得る要因となります。シャイターンの声に従うことは避けるべきです。なぜならそれは私たちを善から遠ざけ、罪を犯させよう

とする欺瞞であるからです。このように、天使を信じることは悪事を避け、徳を身に着ける一助となるのです。預言者ムハンマド(p.b.u.h.)は次のように語られています。

「シャイターンも天使も、人の心にいくつかのものをもたらす。シャイターンの仕事は人を悪に導くことであり、人を真理から遠ざけることである。天使の仕事は人を真理や善へと導き、悪から遠ざけることである。

誰であれ、心の中で善行へと呼びかける声を聞いたときは、それは天使の声であるということを知りなさい。すぐにそれに従い、アッラーに感謝しなさい。誰であれ心の中で悪へと呼びかける声を聞いたときは、それはシャイターンの声であることを知りなさい。そこから遠ざかり、アッラーに庇護を求めなさい」

質問

天使はどのような存在ですか。
なぜ天使を見ることができないのでしょうか。
主な天使の名前と役割を述べてください。
天使を信じることの価値とは何でしょうか。